吉田潤之助が菖翁より分譲を受けた品種をもとに、鉢植え栽培向きに、組織的に改良が行われました。この組織は熊本花菖蒲満月会となり、鉢植え用花菖蒲の礎をつくり、花菖蒲の著しい発展に大きく貢献しました。
熊本満月会は、結成当初から苗は門外不出としています。この掟は、現在でも引き継がれているようです。
一部の品種は会から持ち出され、改良が加えられて、一般に肥後系として栽培されるようになります。
【基本データ】
科属:アヤメ科アヤメ属
学名:Iris ensata
草丈:80~120cm
園芸分類:多年草
花期:5~7月
花色:紫、紅紫、藤、ピンク、白色など
花の大きさ:10~20cm
草姿:立性
原産地:日本
利用:花壇、鉢植え、切り花
花言葉:信じる、和解、吉報、優しさ、心意気、優しい心、優雅
誕生花:5月5日、5月8日、5月20日、5月31日
撮影:2019.06.08 堀切菖蒲園、水元公園、足立区しょうぶ沼公園
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品 種 名 | 作出者 | 作出年代 | 花期 | 花 容 |
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藍草紙 あおいぞうし |
中 | 全体的に紫色の三英中輪。 | ||
池の漣 いけのさざなみ |
中 | 花弁は白色で紫ぼかし、六英中輪。 | ||
朧月夜 おぼろつきよ |
中 | 紫色の六英大輪、鉾は紫白のぼかし。 | ||
霞の奥 かすみのおく |
中 | 白地に紫覆輪、鉾は濃藍色、三英中輪 | ||
京舞・きょうまい |
光田義男 | 1978頃 | 極早 | 肥後系と伊勢系の交配により育成、肥後系では珍しく極早咲き、三英中大輪 |
玉堂・ぎょくどう |
中 | 紫色、弁縁が白 | ||
雲間不二 くもまふじ |
中 | 白地に紫筋、六英 | ||
小町笑 こまちわらい |
中 | 紫色白筋、底白、六英中輪 | ||
桜月夜・さくらつきよ |
中 | 白地に淡紫ぼかし | ||
千姫・せんひめ |
光田義男 | 1972-73 | 中 | 濃い桃赤色に白糸覆輪、三英巨大輪 |
誰待花 だれまちばな |
平尾秀一 | 昭和45・1970年頃 | 紫に白の吹掛け絞りの三英中大輪花 | |
稚児化粧 ちごけしょう |
世戸東次郎 | 1930 | 中 | 白地に薄紅ぼかし、白筋六英大輪 |
千鳥・ちどり |
平尾秀一 | 昭和31・1956年 | 中 | 八重大輪、白地で弁元に藤色のかすりが入る豊麗な大輪花。葉は花のないときでも見分けできるほどの垂れ葉。丈夫で繁殖力もよい品種です。 |
桃花仙・とうかせん |
中 | 白色、鉾は青、三英 | ||
友鶴・ともづる |
西田一声 | 昭和20・1945年頃 | 中 | 気品のある純白の三英中輪花です。熊本花菖蒲の玉洞に似て、よく整った上品な花形の品種です。 |
七彩の夢・なないろのゆめ |
光田義男 | 昭和42・1967年頃 | 白地に美しい紅紫覆輪の六英大輪花 | |
姫小町・ひめこまち |
加茂花菖蒲園 一江豊一 | 昭和62・1987年 | 弁元がやや濃く、ピンクの明るい美しい六英中大輪花 | |
紅椿・べにつばき |
平尾秀一 | 1970 | 中 | 赤味のある紅紫地に白筋が入り、白い芯を持った六英中大輪花 |
紅姫・べにひめ |
岡田博已 | 1986頃 | 中晩 | 紅地に白筋、芯白、六英大輪 |
星月夜・ほしづきよ |
中 | 白色、三英 | ||
蛍舟・ほたるふね |
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舞扇・まいおうぎ |
平尾秀一 | 1957 | 晩 | 明るい藤がかかる紫色に白筋が鮮明に入る。豪華で美しい六英大輪花です。草丈は80cmほどで、性質、繁殖は普通です。 |
紅葉時雨 もみじしぐれ |
中 | 六英中輪、白地に紫しぼり、紫筋 | ||
桃園・ももえん |
白地に紫覆輪 | |||
山路錦 やまじにしき |
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夜嵐・よあらし |
桃色地、濃紫筋、六英 | |||
涼夕・りょうぜき |
白地、紫濃筋入り |