戦後、各系統の復興が一段落すると、系統間の交配が多く行われました。今まで交流のなかった縁の遠い系統間の交配からは、丈夫で育てやすく、見所のある優秀なものができることが分かってきたからです。
特に平尾は、積極的に系統間の交配を行いました。
光田義雄は、肥後系に伊勢系の色彩を取り込むことを目的に交配を進め、大きな成果を得ました。平尾の系統間交配品種の後代をはじめ、最近の優秀な新品種の大部分は、何らかの形で系統間の血が混じっています。
現代の品種~系統の融合
それぞれの新品種は、慣例にならって、どれかの系統に分けられます。しかし、交配により境界が埋められてくると、区分けすること自体に無理や矛盾が出てきます。将来は系統を分けることが無意味になるかもしれません。
【基本データ】
科属:アヤメ科アヤメ属
学名:Iris ensata
草丈:80~120cm
園芸分類:多年草
花期:5~7月
花色:紫、紅紫、藤、ピンク、白色など
花の大きさ:10~20cm
草姿:立性
原産地:日本
利用:花壇、鉢植え、切り花
花言葉:信じる、和解、吉報、優しさ、心意気、優しい心、優雅
誕生花:5月5日、5月8日、5月20日、5月31日
撮影:2019.06.01 水元公園、堀切菖蒲園、足立区しょうぶ沼公園
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品 種 名 | 作出者 | 作出年代 | 花期 | 花 容 |
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愛知の輝 あいちのかがやき | 大杉隆一 | 1950頃 | 早 | クリーム黄、三英小輪、葉は黄緑 |
桂木の君 かつらぎのきみ |
北野天使 きたのてんし |
原種系 | 中 | ピンク色花三英小輪、品種として命名された野生種。青森県東通村産 | 金冠・きんかん |
加茂花菖蒲園 | 1996 | 中早 | 純黄花三英中輪、緑葉 |
金鶏・きんけい |
加茂花菖蒲園 | 1987 | 中 | 黄色に紅筋少し、芯紅色、三英小輪 |
金星・きんぼし | 植木久晴 | 1971 | 中 | クリーム色、三英小輪 |
小夜の月 さよのつき |
加茂花菖蒲園 | 1964 | 中 | 薄クリーム色、三英小輪、草丈低い |
小夜蛍 さよぼたる |
加茂花菖蒲園 | 1993 | 中晩 | 青紫かすり、三英小輪、草丈低い |
新世紀 しんせいき |
加茂花菖蒲園 | 1992 | 早 | 青紫、三英中輪 |
スティップルド・リップルス | アメリカ系 ルイズ・マルクス |
昭和初期 | 中 | 白・紫(覆輪)、六英花 平咲き、江戸系品種を元にアメリカ人によって育成された品種 |
センター・オブ・インターレスト | アメリカ系 | 中 | 青紫色六英大輪 平咲き、花被片の周縁部は波打ってフリル状になっています | |
蘇峰・そほう | 野生種 | 花色は全体的に濃い紫の三英中輪 | ||
野花菖蒲 のはなしょうぶ |
原種系 | 中 | 赤紫色の花びらの基部に黄色のすじが入るのが特徴 | |
初穂・はつほ | 加茂花菖蒲園 | 1989 | 中 | 淡黄褐色、三英小輪 |
花月夜 | 加茂花菖蒲園 一江豊一 |
1988 | 中早 | 薄クリーム色、三英小輪 |
ピンクフロスト |
アメリカ系 マルクス |
1955 | 中 | 六英大輪、アメリカ系です。花被片は白地色で、淡い藤色が乗っています。 |
平成・へいせい |
加茂花菖蒲園 | 1989 | 中 | 薄青紫六英、カキツバタとの交配種 |
みちのく黄金 みちのくこがね |
鯉艸郷 | 1997 | 中 | 黄花三英、高性、緑葉 |
稔の秋 みのりのあき |
加茂花菖蒲園 | 1988 | 中 | 薄赤茶褐色、芯が黄色い、三英小輪 |